2022年はMoonにとって刺激的な1年になりました。社会がパンデミックに適応したことで、私たちはパロアルトと東京のスタジオを行き来することが可能になり、2つのスタジオがともに学び、歩んでいけるようになったのです。
私たちは、Moonが掲げるバリューのひとつ「experiment fast」を実践して、進むべき方向性や新たな解決策を見出し、可能性の限界を押し広げました。完璧を目指すかわりに、学習と実験を繰り返すことに力を注ぎました。
実験することによって「アイデア」を「実体験」へと変え、簡易的なプロトタイピングを行うことで市場やユーザーから直接フィードバックを得ました。
私たちはこの旅の経験を共有し、あらゆる挑戦、失敗、成功から学ぶことで、新しい解決策にたどり着くことができました。
これから紹介するストーリーを通じて、Moonがどのような道のりを歩んだのかについてお伝えします。
私にとって「experiment fast」は、理解したいことを緊迫感をもって証明したり反証したりする行為のこと。最小限の時間とリスクで、どれだけ早く理解に至れるかを追求することです。
Vlad Almonnord, Design Director
2022年、世界は日本の伝説的ファッションデザイナー、三宅一生さんの逝去を悼みました。彼は、伝統的な手工芸品と独自に研究開発した最新の技術を組み合わせたデザイン、実験への恐れを知らないアプローチで知られていました。彼の死がクリエイティブな世界に大きな穴を残した一方で、ジェンダーニュートラルでクラシックでありながら未来を見据えたファッション哲学は彼の遺産として今も生き続けています。
「私の事務所は、デザイン事務所というより研究機関のようなところがあり、いろいろな実験を繰り返しています」三宅一生(*)
この1年間は、Moon Creative Labでも数多くの実験を行ってきました。パンデミックの影響による移動の制約が緩和され、パロアルトと東京に拠点を持つ私たちは文字通り一緒に働く機会を取り戻しました。ワークショップやデザインスプリント、クリエイティブ・スタートアップコミュニティとの対面イベントの数々を、パロアルトや東京のスタジオで開催しました。
私たちは、Moonが掲げるバリューのひとつ「experiment fast」 を実践して、進むべき方向性や新たな解決策を見出し、可能性の限界を押し広げました。完璧を目指すかわりに、学習と実験を繰り返すことに力を注ぎました。実験によって「アイデア」を「実体験」へと変え、簡易的なプロトタイピングを行うことで市場やユーザーから直接フィードバックを得ました。
今年のMoonの年次報告書では、これらの実験、あらゆる挑戦、失敗、成功から学んだこと、新しい解決策を紹介したいと思います。
「experiment fast」が私たちのEIR(アントレプレナー・イン・レジデンス)やMoonメンバーの1年をどのように変えたのでしょうか。これらのストーリーを通じてMoonがどれだけの道のりを歩んだかについて知ってもらいたいと、そう願っています。
みなさんも「どんな実験をすれば、仕事や生活に良い影響を与えられるだろうか」と自問してみてください。
私たちも彼のように、自由に探求し、研究し、進化していきたいと考えています。 それが実験の醍醐味ですよね。
Mary Ann Gallo
Chief Marketing Officer
*京都賞記念講演「一本の糸、一枚の布、 一生の仕事」(2007)より